英雄アキレウスはストーカー系!?

「アキレス腱」と人体の一部にもその名を残すギリシアの英雄アキレウス。
トロイア戦争では、たった一人で形勢を逆転させ、敵方の武将を次々と討ち取るなどその称号にふさわしい大活躍を見せたとされています。
しかし、意外や意外、「英雄、色を好む」という説はアキレウスにはどうやら当てはまらない感があります。

半神アキレウスとその弱点の秘密

アキレウスはプティーアの王ペーレウスと海の女神テティスの間に生まれました。ヘラクレス同様、半神ということになります。
母テティスは我が子を不死身にしようと冥府を流れる川・ステュクスに浸しますが、その時踵をつかんでいたためにこの部分だけが水につからない=不死ではなくなってしまいました。
後年彼はこの弱点を突かれて命を落とすことになります。

アキレウスに関わった女性たち

テティスはアキレウスをケンタウロスのケイローンに預けますが、トロイア戦争に関わると命を落とすと予知したため、スキューロス島に送って女の子の格好をさせておきました。 何とか息子を守ろうとする母の一念だったのでしょう。
ところが、アキレウスはスキューロス王の娘デーイダメイアとの間に子どもができてしまいます。そればかりかオデュッセウスの誘いに乗って、妻子を置き去りにしてトロイア戦争に出陣してしまうのでした。
その後彼はデーイダメイアと息子ネオプトレモスとは没交渉のまま生涯を終えます。

アキレウスはギリシアの総大将アガメムノーンとどうにもそりが合いませんでしたが、リュルネーソスを陥落した際、戦利品として手に入れたブリーセーイスを横取りされたことから亀裂が決定的になります。
それは、アポロン神殿の神官クリューセースの娘クリューセーイスをアガメムノーンが気に入って愛妾にしようとしたことに端を発しています。
クリューセースは娘を返してくれるようアガメムノーンに頼みに行きますが、相手にしてもらえません。そこでアポロンに祈ったところ、願いは聞き届けられギリシア軍内部で疫病が流行って多くの兵士が倒れました。 アキレウスはその原因がアガメムノーンにあることを知り、クリューセーイスを返すよう説得します。しぶしぶアガメムノーンはそれに応じましたが、その代わりブリーセーイスをアキレウスから取り上げたのです。 アガメムノーンと不仲になったアキレウスがそれ以後前線を退くと、ギリシアの士気は下がる一方。
トロイア勢に対して押され気味になると、ついにアガメムノーンもブリーセーイスを返すという条件で和解を申し出ます。
アキレウスは首を縦に振りませんでしたが、親友パトロクロスがトロイアの英雄ヘクトールに討たれたという知らせについに戦線復帰を決意。
アキレウスは一騎打ちの末にヘクトールを倒し、その葬儀を以て「イーリアス」も終幕となります。

英雄の執着はすさまじい

その後、アキレウスはイーリオス(トロイア)の陥落を待たずして王子パリスに急所の踵を射られて命を落とします。
ところが死後、生き別れた息子ネオプトレモスの夢枕に立ち、トロイア王プリアモスの娘ポリュクセネーを生贄として自分の墓前に捧げよと命じます。
さもなくばギリシアに不利益をもたらすと、英雄にあるまじき脅迫までしています。
仕方なくネオプトレモスは言われたとおりにしますが、その理由は生前ポリュクセネーに思いを寄せていたから。
英雄アキレウスは、数こそ少ないものの、これぞと思った女性には執着するタイプだったようですね。