嫉妬で島民を皆殺しにさせられたアイギナとアイアコス

ゼウスの妻、ヘラの嫉妬でゼウスと関係を持った女性がひどい目に合うのはギリシア神話の定番ですが、嫉妬から自分の住む島の島民を皆殺しにされた人物がいます。それがアイギナです。

無理やり連れ去って雷で追い払うゼウス

アイギナは河の神アーソーポスとメトーペーの娘でした。彼女には12人から20人にもなる娘がいましたが、すべてゼウスやポセイドンら神々に無理やり連れ去られた末に犯されるという事態が起きました。末娘だったアイギナもゼウスに連れ去られ、行方を探して父親のアーソーポスはコリントスまでやってきまます。そこでアイギナとゼウスを発見。ゼウスはこの時攻撃手段がなかったので岩になってやり過ごしてオリンポスに戻ると武器である雷を投げつけ無理やり追い払いました。その後、アイギナをオイノーネー島につれていきそこで行為に及び、アイアコスが生まれました。その後、彼はこの島の王になりました。ちなみに島の名前は彼の母であるアイギナからつけていられ、現在もその名前で呼ばれています。

嫉妬から島民を全滅させるヘラ

このことを知ったヘラはアイギナに嫉妬します。そこで彼女が取ったのはなんと島民の全滅でした。島に疫病を流行らせ島民の多くが死に絶えました。別の説では大量の毒蛇を河や水の中に放ち、日照りや飢饉で仕方なく酒でしのぎますが、それも無くなったため、毒に侵された川の水を飲んでしまい、全滅させかけたと言います。この出来事で島民の多くが死んだことでアイギナの息子、アイアコスはひどく悲しみ、ゼウスに祈りを捧げました。その祈りを聞いたゼウスは島にいたアリを人間に変えたと言われています。この時に蛇も姿を消し、日照り続きだったはずの島には雨が降っていたそうです。アイアコスはこの人達をアリと言う意味のミュルミドーン人と呼びました。後にこのミュルミドーン人はトロイア戦争にも参戦します。

ギリシア全土から尊敬された王

こうして島の全滅を免れたアイアコスはその後も優秀な人物として働きます。後にギリシア全土を干ばつが襲った時にはゼウスに祈りを捧げ、雨を振らせてもらい、トロイアにポセイドンとアポロンの手によって城壁が作られた際にはこの作業に参加します。これは神の手によって作られたことでトロイアが不落になることと、住民が神を蔑ろにすることを恐れてだったそうです。その時にアポロンはトロイアが後に陥落することと、その征服者がアイアコスの子孫であることを預言します。

ゼウスの親ばか度合い

ゼウスは島民を戻し、雨をふらせたことからもわかるようにとてもアイアコスを可愛がりました。可愛さのあまりに老衰で死ぬことも無くしてやろうと考えますが運命の女神であるモイラからは大反対されてしまい、結局諦めることになります。しかし、ゼウスはアイコスを冥界の裁判官にすることにしました。これによりアイアコスは死後の世界でも尊敬され冥府の鍵を預けられるなど信頼されたそうです。ヘラの嫉妬も凄まじいですがゼウスも親ばかな面があるようです。

ヘラの嫉妬からの復讐は基本姿をどれも姿を変えてくることで有名です。しかし今回の場合はなんと民を殺すという行為を行っています。嫉妬が強くなるとココマやるものかという事例の一つです。