夫に化けたゼウスとセックスしてしまった貞淑な妻

ミュケナイの王女アルクメネは、当時のギリシアでは珍しくとても貞操観念の強い女性。とても美しい女性のため、いろんな男性から言い寄られますが、なびきません。いとこのアムビュトリュオンと結婚し、夫一筋に生きていました。当時の女性たちは、美男子に言い寄られたらすぐに身体を開くことが多かったので、とても珍しい堅い人でした。

夫は事故によって王位継承が難しくなります

王女アルクメネには男の兄弟がいませんでした。それで父親のミュケナイ王エレクトリュオンは、自分の後継者として娘アルケメネの夫アムビュトリュオンを次の王に、と考えていました。ところが、ある日アムビュトリュオンが牛を捕らえるために投げた矢が、国王エレクトリュオンの頭部にささってしまい、王を死なせてしまいました。

アムビュトリュオンは殺人者として国を追われ、妻のアルクメネもこれに従って国を出ます。二人の寂しい生活が始まりますが、そんなところにゼウスが横槍を入れます。王女アルクメネに言い寄り体を求めます。しかし、身持ちの硬いアルクメネはゼウスの誘いに乗りません。何度迫っても口説き落とせないので、とうとうゼウスは奥の手に出ました。

夫のふりをして身体を奪ったゼウス

ある日、夫のアムビュトリュオンが遠征のため外出した隙に、ゼウスは夫に化けて家に帰ります。久し振りに夫が帰ってきたと喜んだ妻アルクメネは、さっそく夫婦の営みをします。何日も夫が家をあけていたので、待ちきれなかったのです。ゼウスは何十人もの愛人を作った絶倫男。人間ならとうにバイアグラのお世話になる年代を過ぎているにもかかわらず、強靭な精力の持ち主です。一晩中ふたりは愛し合いました。

ところが翌日になると、本当の夫が戻ります。そこで、妻は昨日のセックスはゼウスの企みと気がつきますが、夫には言えません。久しぶりの夫は、待ちきれないとばかりに妻を抱きます。妻にとっては二日連続で、しかも前夜の相手は精力絶倫のゼウスですので体はクタクタ。妻アルクメネは複雑な気持ちになります。

そして、この時の性交により妊娠します。生まれた子どもは双子。一人は、ゼウスの子で、ひとりは夫の子でしたが、どちらが神ゼウスの子なのかはこのときにはわかりませんでした。この双子の一人がヘラクレス。のちにギリシア神話最大の英雄となった男です。

ゼウスは貞淑な妻をものにするため夫に化けて性交し、ヘラクレスを身ごもらせました。