セックスは神様の贈り物

女性がバストの大きさやウエストの細さにコンプレックスを抱くように、男性も自分の陰茎のサイズや形が気になるのではないでしょうか?
思春期から始まる、陰茎への関心は生涯続くもの。
ある年代以降は勃起力や持続力に重点が置かれるかもしれませんが、やはり大きさは重要なポイントでしょう。
セックスの満足度には関係ないと言われても、他人と比較してしまいがちです。
しかし、そんな人間に一瞬で劣等感を与えてしまいそうな、レベルの違う陰茎を持つ神様がいることをご存知でしょうか?

豊穣の神は巨根の持ち主

プリアーポスは果樹園や庭園の守護神で、男性の生殖力の象徴とされています。
父親は諸説ありますが、共通しているのは母親が愛と美の女神・アプロディテであるということ。愛の女神から生まれた生殖の神というわけですね。 同じく豊穣と酒の神であるディオニュソスの従者でもあります。
また、絵画には巨大な陰茎の持ち主として描かれていますが、ご覧になったことはないでしょうか?
腰布の下から突き出した陰茎は、軽く膝に届く長さ。先端は本人の握りこぶしよりも大きく、まるで野球のバットが股間にぶらさがっているかのようです。
プリアーポスはその特異な姿のためか、古代ローマでは「陰茎」そのものの隠喩になっていました。同性同士で相手を罵倒する時の侮蔑語でもあったそうです。
また、ギリシア神話では果樹園や庭園に守り神として像が置かれましたが、男根をそのまま象ったものが使われることもしばしばでした。

日本でも見られる男根信仰

男性器を表した像と言えば、日本にも同じようなものがありますよね。
集落の外れなどに設置され、旅人の安全と村を災いから守るとされる道祖神です。
「さいの神」「せいの神」と呼ばれ、「塞」や「妻」、「幸」、そして「性」などの字が当てられることが多いようです。
中でも、男女の和合(セックス)や男根・女陰を象ったものは少なくありません。信州を中心に、日本各地で見ることができます。
特に男性器を模した道祖神は「陽石」と呼ばれ、子孫繁栄の象徴として根強く信仰されています。
プリアーポスの像だけでなく、道祖神も陰茎そのものを象り、人々の信仰の対象となる…このあたり、洋の東西は関係ないようですね。
精子を「子種」と呼び、種を蒔く=豊穣に繋がることからも、男性器がこうして崇められるには根拠があるような気がしませんか?

セックスはプリアーポスの贈り物

もともとはある地方の農業従事者たちの間で古くから信仰されていた神ですが、アレキサンダー大王の東方遠征に伴い、ギリシア全土に広がりました。
その後、ギリシア神話に組み込まれ、豊穣の神として確立されたのです。
また、古代ローマでは「セックスはプリアーポスの贈り物」とされ、生殖だけでなく楽しむべきものと考えられていました。「ウェヌス(アプロディテ)の贈り物」と言う説もありますが、いずれにしても神に祝福されることだったのですね。
しかし、やはりそのインパクトのありすぎる容姿が災いし、キリスト教の普及によって徐々にその信仰は廃れていきます。
子どもを作る以外の目的で行うセックスをすべて神に背く淫らなこととするキリスト教の倫理観においては、プリアーポスの姿そのものが忌むべきものとされたのも無理はないでしょう。