夫の不倫に悩まされつづけたヘラ

ギリシア神話の始まりは、天空ウラノスと大地ガイアが交わったことから始まります。二人からはティタンの神々が生まれ、さらにその子供たちがオリュンポスの神々となりました。ウラノスとガイアの子クロノスとレアは兄妹ですが、結婚し子どもをつくりました。3番目に生まれた子どもがヘラ、6番目に生まれたのがゼウスです。ヘラはゼウスの姉ですが、ふたりは結婚しました。

ヘラは結婚の女神でとても貞淑な女性。なかなか簡単には男性に身を任せることはありません。まして、プレイボーイで有名な自分の弟などとは、とても深い仲にはなれないと考えます。しかし、そこは百戦錬磨の色男ゼウス。上手に姉を口説いて、自分のものにしてしまいました。おかげでヘラは、夫の不倫に悩まされ続けることになります。

かっこうに変身して求愛したゼウス

いろんな女性と交わってきたゼウスですが、あるとき自分の姉に恋をします。何とかヘラを口説き落としたいと考えたゼウスは、「かっこう」鳥に変身してヘラに近づきました。とても寒い日のことで、舞い降りた「かっこう」がとても寒そうに震えているのを不憫に感じたヘラが、抱き寄せて温めてやると、突然ゼウスが元の姿に戻って、口説き始めます。

ヘラは貞淑な女性で、遊び人の弟ゼウスとはセックスできないと断りました。しかし、ゼウスが遊びではなくて本気だと口説くので、心が揺れます。「結婚を前提にセックスさせてください」というゼウスに押されて、とうとう身体を許してしまいました。

夫は精力絶倫のプレーボーイ

結婚したふたりには子どもも何人かでき、ヘラは「結婚、子ども、セックス」の守護神となります。幸せな結婚生活を過ごしたかといえば、なかなかそううまくはいきません。夫は神々の中でも最高の女好き。放っておけば毎日でもよその女性と性交してしまいます。

嫉妬に狂ったヘラは、ゼウスが浮気をした相手にことごとく意地悪をします。ゼウスの不倫相手の一人レナが妊娠すると、ヘラはレナの出産を邪魔します。陣痛が始まってもなかなか産めないようにして苦しめました。レナは9日間も激しい陣痛に苦しんだ後、ようやく双子の男女を出産しました。こうして生まれたのが、太陽神アポロンと月の女神アルテミスです。

貞淑な女性ヘラは、弟ゼウスに口説かれて結婚しましたが、夫の不倫に悩まされ続け、嫉妬のために、不倫相手に意地悪を繰り返しました。