両性具有の神もいた!?乳のある美青年ヘルマプロディトス

ギリシア神話は性に関しては他に類をみないほど自由です。乱交や浮気と言った性行為に関することだけでなく、同性愛などといったものも存在します。さらに性の多様さは、対象だけでなく身体的な構造にまでおよびました。

ギリシア神話でなにかと伝令役として活躍するヘルメスと、美の神アプロディテの間に生まれたヘルオマプロディトスは両性具有とされています。彼の名前はそのまま「雌雄同体」を意味する単語の語源にもなっているそうです。

旅先で美少年を襲った予想外の事件とは?

ヘルマプロディトスとは「ヘルメス」と「アプロディテ」が合わさったものという意味を持ち、両者の子どもであることを表しています。彼は整った顔立ちをした美少年であり、生まれてすぐ山で妖精たちに育てられました。

そして15歳の時、生まれ育った場所から出ていろいろな地方を旅することにしたそうです。退屈をまぎらわすために旅に出たヘルマプロディトスでしたが、カーリアの森にある泉についたところで思いもしない事件が起きます。

なんと泉の精であったサルマキスという人物が、彼のことを好きになってしまい猛烈に迫ってきたそうです。しかし誘惑されてもヘルマプロディトスはまったく興味を示さず、相手があきらめて立ち去ったあと泉に入りました。

性的な願いはだいたい叶えてくれる?ギリシアの神々の気まぐれ

しかし実はサルマキスは立ち去ってなどおらず、木の陰に隠れて機会をうかがっていたそうです。そしてヘルマプロディトスが泉に浸かったとたんに飛びだしてきて、抵抗されるのを無視し彼をむりやり抱きしめて口づけしました。

ここまでで終わりだったらよかったのですが、なんとサルマキスは「はなればなれにしないで欲しい」と神々に願ったそうです。現在ならば即逮捕という状態ですが、性におおらかなギリシアの神々は願いを叶えてしまいます。

結果どうなったかと言えば、文字通りふたりは離れられない状態、つまり身体が融合してひとりの人間になりました。おかげで両性具有になり、ヘルマプロディトスは恥ずかしさと悲しみに満ちた気持ちになります。

行き場のないヘルマプロディトスの怒りは泉をおとずれる人に向いた

やるせない怒りを抱えた彼は、神々に呪いをかけるよう願いました。叶えられた呪いは「この泉で水を浴びたものは男性として不能になる」というものです。許せない相手が自分自身になったので八つ当たりする他なかったのでしょう。

ですから、もしかするとギリシャでEDになってしまった方は「ヘルマプロディトスの呪いだ」などとジョークをとばしているかもしれません。神話にくわしい友人がいるなら、自虐ネタとして日本で使ってみるのもいいでしょう。

ただ、ED自体はとても深刻な問題なので、もし本当に悩んでいるのなら冗談など言っている場合ではありません。すぐに専門のクリニックに行って医師のアドバイスを受けましょう。バイアグラなどのED治療薬は安全性も高く、効果も実証されていますので一度試してみてもいいかもしれません。