セックスは男から誘ってよ、と女は言った!?

イザナギとイザナミは互いに童貞と処女でありながら、何とかバックスタイルのアオカンで無事初体験を済ませます。当然のことながら、避妊という考え方はありませんので射精は中出しです。夫婦ですからそれで構わないのですが、この一回でイザナミは妊娠しました。生まれてきた子どもが、ヒルコ(水蛭子、蛭子神、蛭子命)です。ただ、ヒルコは生まれつき虚弱体質で、3才になっても立つことができません。イザナギは、自分の立派に立ったモノから作られたのに、どうしてヒルコは立つことすらできないのだろうか?と悩みます。

初体験の方法のどこかに欠陥があったのではないか、と振り替えって考え始めました。幼いヒルコはいつまでも病弱なままなので、ふたりはヒルコを船に乗せて海に流してしまい、次の子作りは必ずうまくやろうね、と誓い考えました。そこでイザナギが思いついた結論は、女にリードされてセックスしてしまったのがいけなかったのではないか、という答えです。男子たるもの、性交するときは自ら誘うべきであるのに、イザナミに言われて挿入してしまった。今度からは、自分から閨(ねや)に誘おう、と決意します。そうして、セックスのやり直しをしたのです。

セックスは男が誘うもの!?

最初の交わりの際には、女性のイザナミの方から声をかけ「あら、なんて素敵な男性なの」と誘い、イザナギが「おお、なんと美しい女性だろうか」と答えたのがきっかけでしたが、そもそも、これがまずかったのだろうと二人は結論付けました。その根拠は定かではありませんが、女が自ら股を開いて誘うのははしたないと考えたのかも知れません。ふしだらな誘惑によって、成長しない子どもが生まれてしまったと考えたのでしょう。

そこで、ふたりは誘い方を逆にしました。男性であるイザナギが「ああ、美しい女性よ」と声をかけ、イザナミが「あら、立派な男だこと」と答えてから交わったのです。特に体位については触れられていませんので、今回もまた立ちバックであったのでしょう。この 性交によって生まれた子どもは、ちゃんと育ちました。

生まれた子どもは島になった!?

2番目の子どもは、「アワジノホノサワケシマ」 (淡道之穂之狭別島)と名付けられた島になりました。これが、現在の淡路島であると言われていますが、異説もあります。次に生まれたのはイヨノフタナシマ(伊予之二名島)で、これは四国とされています。イザナミはその後何度もセックスをして、次々と島を生み、全部で8つの島を作ります。二人の子作りは、国作りであったのです。現在の本州は8番目に生まれ、オオヤマトトヨアキヅシマ(大倭豊秋津島)と呼ばれました。

イザナギ、イザナミの性交は、日本という国の成り立ちの元となった訳ですが、その間、二人の体位に変化は見られません。古代のわが国では、後ろから挿入するバックスタイルが、常識だったのでしょう。江戸時代には四十八手と呼ばれるほどたくさんの性交スタイルが作られていますが、伝統的には後背位がスタンダードであったのでしょう。神様の体位が「バック」なのですから、庶民は皆、それに倣ったはずです。

イザナギ、イザナミは、女からセックスを求めたために、子作りに失敗し、男が誘うべきであるという考え方に到達しました。男尊女卑的な考え方ではありますが、それが、現代まで続いているのでしょう。