ゼウスの知られざる結婚遍歴

全知全能の神でありオリンポス12神の頂点に君臨するゼウスは、セックスに関しても貪欲であったことはよく知られていますよね。
そもそも正妻のヘラは同じクロノスとレアから生まれた姉妹ですし、それまでにも何度か結婚しています。
愛人に至っては数えきれないほど。これはと思った女性には、それが女神であろうと人妻であろうとおかまいなしに手を出しています。
まさに猪突猛進。そして必ず思いを遂げるという点では、羨ましく思う男性もいるのではないでしょうか?

ゼウスはヘラ以前に結婚していた

ゼウスはヘラと永遠に結ばれる前に、2回結婚しているとされています。 最初はアテナの母親である知恵の女神メティス。

海や泉の女神でもあり、オリンポス12神が世界を収める前に権力を握っていたティターンの一柱でしたが、全面戦争の際にはゼウスに味方し、縁あって結婚することになります。 しかし、地母神ガイアが「メティスの産む男児は父を超える力を持つ」と予言したことからゼウスは戦々恐々。
せっかく手に入れた世界の王の座を守るためにメティスを腹の赤子ごと呑み込んでしまいました。
ところが、ゼウスはその直後から激しい頭痛に苛まれるようになります。あまりの苦しみに、鍛冶の神ヘパイストスに命じて頭を割らせたところ、飛び出してきたのがアテナ。 産まれた時から成人しており、兜と鎧を身に着けていたと言います。
彼女はメティスの知恵を受け継いで知恵と戦いの女神となり、ゼウスは産まれたのが女だったことで予言は反故になったと喜びました。 次に結婚したのはウラノスとガイアの娘であるテミス。
掟の女神で、ゼウスは彼女との間に運命の3女神モイライ、正義の女神アストライアーなどをもうけます。
モイライはもともと夜の女神ニュクスの娘たちでしたが、ゼウスは彼女たちを自分の娘として再誕生させることで運命すらも超越可能になりました。 つまり、ゼウスに限っては「運命」すらも意味を成さないということ。まさに全知全能の神となったのです。

ヘラを手に入れるまで

最後の、そして永遠の妻となるヘラはゼウスの姉で、結婚の女神です。
本来なら結ばれるはずもないのですが、神様同士となるとその辺りは意外とゆるく、人間のモラルは通用しないようですね。 ヘラは条件としてゼウスがテミスときちんと離婚することを挙げました。
ゼウスはヘラに夢中だったので、二つ返事でOK。哀れテミスは何の落ち度もないのに捨てられることになってしまったのです。
しかし、そこまでして結婚したにも関わらず、あちらこちらで浮気をしては種をばらまくのですから、ゼウスは生来の女好きと言わざるを得ないでしょう。

神の血がもたらしたもの

バイアグラのお世話になる必要もないほど、恋にセックスに積極的だったゼウスは、人間の女性ともアバンチュールを楽しみました。彼にとっては、EDなんて症状はまったく関係のないものだったのですね。
EDの治療のためにメンズヘスクリニックへと通う現代男性にしてみたら、本当にうらやましい話です。
しかし、その旺盛な性欲のおかげでヘラの嫉妬を買い、大変な目に合わされるのですから、女性からしたらいい迷惑だったかもしれませんね。
しかし、ゼウスの血を受けた子どもたちは、いずれも半神とされるばかりか武力や才能、美貌など、普通の人間が持ち得ない恩恵を受けています。
一説には、古代ギリシアの王たちが自らの権威を示すためにゼウスの血を引いている、と称したそうですが、それだけ箔をつける効果があったということでしょう。