戦争をやめさせるために女たちが起したセックスストライキ!?

古代ギリシアにおいては、戦争は生活習慣のようなもの。常にどこかの国々の間にいさかいがあり、武力衝突が起こっていました。都市国家同士の利害対立を調整する政策がなかったからでしょう。男たちは戦争とセックスが大好きだったのです。

戦争が起こると人が死にますが、亡くなるのは常に男です。十代、二十代の若い男性の人口が減ると、困るのは女たちです。ようやくセックスの悦びが分かり始めた頃に、夫や愛人が死んでしまえば欲求不満が募ります。街に残っているのは年寄りばかり。バイアグラでもあれば良いのですが、当時はそんな便利な薬はありませんので、立たないモノは役に立ちません。 女たちにとっては、若くて元気なモノを持っている男が必要なのです。

女たちにとって、性的なニーズからも戦争は避けたいものでした。何とか戦争をなくす方法はないものか、争い好きでおろかな男たちを戒める方法はないものかと頭を悩ませました。そんな背景から生まれた「劇」が、「平和の女」(リューシストラテー)です。劇作家のアリストパネスは、女たちの力で戦争をなくす方法を、芝居の形で提案しました。その中心にある「戦略」は、「セックスストライキ」。男たちに挿入させないことで、戦略のバカバカしさを知らしめようとするというコメディです。

平和の女とは?

この芝居は、紀元前4~5世紀ころに喜劇作家のアリストパネスによって作られました。原題は「軍隊の解体」といった意味であり、邦題は意訳されたものです。当時のギリシア(アテナイ)は長期にわたる戦争で、有能な若者が大勢失われ、国力か低下して近隣の属国の離反が相次いでいました。

アリストパネスはこうした状況から脱却するためには、戦争の悲惨さを真正面から訴えるタイプの芝居ではなく、ユーモラスに演出した方が効果的だと考えたのでしょう。敵味方の女たちが一致協力して、一斉にセックスを拒否するという画期的なモチーフを編み出しました。当時においても大ヒットしただけでなく、現代に至るまで受け継がれる文学作品となりました。

ユーモラスなあらすじとは?

スパルタとの戦争に明け暮れるアテネに暮らす女、リューシストラテーは、男たちに戦争をやめさせようと、敵味方の女たちを密かに終結させます。そこで、彼女が提案したのは、戦(いくさ)が終わるまで夫や恋人とのセックスを一切断つという計画でした。女たちの中には、男も辛いかもしれないが自分もセックスなしでは暮らせないと嘆くものもいましたが、戦争さえ終わればいくらでもすることができる、とリューシストラテーは説得します。

かくして始まったセックスストライキは、「我慢しきれない!」と脱走を企てる者が現れたりしもしますが、何とか継続されます。男たちの中には勃起させて「一発だけでも」とモノ乞いに現れる者もいましたが門前払いされます。結局、セックスなしでは戦争などやっていられないと、戦士たちが皆、大きくなった前をおさえつつ「降伏」し、戦いに終わりが訪れる、という物語です。

和平交渉の際も、男たちは女の体に釘付け。早く交渉を終わらせて射精させろ、入れさせろ、と興奮したため、あっという間に交渉締結。平和が訪れ、皆がセックスを楽しみました。